医学および医療は、病める人の治療はもとより、
人々の健康の維持もしくは増進を図るもので、
医師は責任の重大性を認識し、
人類愛を基にすべての人に奉仕するものである。
1.医師は生涯学習の精神を保ち、常に医学の知識と技術の習得に
努めるとともに、その進歩・発展に尽くす。
2.医師はこの職業の尊厳と責任を自覚し、教養を深め、
人格を高めるように心掛ける。
3.医師は医療を受ける人々の人格を尊重し、やさしい心で接するとともに、
医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める。
4.医師は互いに尊敬し、医療関係者と協力して医療に尽くす。
5.医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に
尽くすとともに、方規範の遵守および法秩序の形成に努める。
6.医師は医業にあたって営利を目的としない。
社団法人 日本医師会
私たちは舞鶴地区の医療に一定の責任があることを自覚し、どうすればより良いものに発展させられるのか、
行政など関係者とともに考え行動しています。
U. 現 状
舞鶴医師会が関与している地域医療は、自院における通常の診療以外に
@健康診断・予防接種
A休日救急医療
B健康講座
C学校医
D産業医関連
E介護保険関係
F障害者福祉関係
G医師会関係
Hその他地域医療に関係する事業
など多岐にわたり、行政側と協力しながら実践しています。
今般、政府の医療政策の転換により、全国的に地域医療の崩壊が叫ばれるようになってきました。
以前より舞鶴市は公的4病院、個人開業医の医療機関があり比較的医療には恵まれていると言われてきました。そのような舞鶴市においてさえ「医療格差」つまり医師不足が深刻化しています。その結果、いままでの医療を
保つことが不可能となってしまいました。
舞鶴医師会としては現状に非常な危機感を抱き、いかにして舞鶴市の
医療を守っていけばよいのかを模索しているところであります。
V.地域医療
前述の如く、以前は人口10万都市に公的4病院と個人の医療機関があり、医療環境は非常に恵まれていて
市民の皆さんも安心され、医療関係者もゆとりを持って医療に従事していました。医療にゆとりがないと様々な
弊害が発生し、最終的には市民の皆さんのところに係ってきます。「医療格差」とは「ゆとりのある医療」が出来るのかどうかということであり、具体的にはマン・パワーがあるのかないのかということになります。
残念ながら舞鶴市はマン・パワーが低下しつつあります。入院・救急に関しては公的3病院が、市民病院の分まで引き受けて
頑張って支えていただいておりますが限界に達しています。では個人の医療機関は何をしているのか、ということになります。個人医療機関は標榜科にもよりますが午前中は自院で診察をして、午後から往診・在宅医療に出かけ、夕方からまた自院で診察をしています。その合間や夜間に前項で述べた予防接種や介護保険関係の会議などに出務しています。結構忙しくしています。
舞鶴の医療の質を低下させず、かつ舞鶴で完結できる医療を行うためには「医療分担」が必要となってきます。つまり病院に求める医療は「専門医療」「入院医療」「救急医療」に特化し、個人の医療機関は「外来医療(1次救急)」「往診・在宅医療」に特化することです。そうすることにより病院のマン・パワーの不足を補います。(この流れはすでに始まっています)
舞鶴の現状を考えると、この方向が幹となります。しかしながら枝葉の問題となると山積しています。その中で緊急課題であるのは「休日救急医療」です。
市立舞鶴市民病院が事実上崩壊して休日救急医療から撤退して久しく、各病院ともぎりぎりの状態で「休日救急医療」がかろうじて成り立っているのが現状です。そのため平成19年11月から平成20年3月まで当医師会としても第2と第4日曜に舞鶴市民病院を利用して外来診療(1次救急)を実施しました。(その後平成20年4月から舞鶴市民病院が独自に土・日曜日の外来診療を実施するようになりました。)
「休日救急医療」こそ絶対的にマン・パワーが必要です。この問題に関しては我々医療関係者だけではなく、市民の皆さんにも考えていただきたい事柄です。
W.市立舞鶴市民病院問題
平成18年1月に突然前市長より市民病院の民間委託が発表されて以来、行政側に様々な意見を述べてきましたが、すでに市民病院が「地域医療」から撤退して久しく、市民病院が存在しない状態が進んでいるにもかかわらず表面上は大混乱もなく現在に至っている様に見られます。
当医師会としては市民病院問題に対してこれ以上関与しないことを決定しました。今後は行政府の一部門である市民病院を行政府の中で判断、決定していただきたい。その上で協力させていただくところは協力させていただくこととする。当医師会はそれよりも、さらに大きな問題である「地域医療の崩壊」を如何にしてに押しとどめるかに力を注がなければならないと考えています。
X.舞鶴地域医療あり方検討委員会
平成19年5月より齋藤市長の私的諮問委員会として発足しました。委員会には4病院院長と保健所所長、舞鶴地域以外から2名の大学関係者、元市民病院院長、当医師会から会長、副会長、庶務担当理事の3名が個人の資格で参加しました。7回の委員会後11月に最終答申を市長に提出しました。最終答申を提出するまでの間にも舞鶴の医療は疲弊し待ったなしの状況に追い込まれています。(もし市民の皆さんがそう感じておられないのであれば、それは各病院医師、開業医の悲壮なる努力の賜物だと思ってください)
最終答申の概略は「将来的に4病院を1ないし2に再編する。そのための準備として医療・行政・経営など各分野の専門家からなる再編準備組織を速やかに立ち上げ、その中で様々な問題点を検討し、また再編のため現状のあり方も検討する」ということです。しかしながら未だに再編準備組織も立ち上がっていないのが現実です。
Y.舞鶴医師会の方針
以上述べてきましたように、舞鶴の医療環境は皆さんが想像される以上に悪化してきています。そのような中で「社団法人舞鶴医師会」は以下の方向で、舞鶴の医療に責任を持つ専門家集団として取り組んでいきます。
1.当医師会に集まっている医療資源を「医の倫理綱領」に則り活用することで舞鶴の医療を守る。
2.当医師会として実現可能な事項と不可能な事項を明確にする。
3.行政とは密に連携を保ち協議しつつ舞鶴市の医療に是々非々で協力する。
4.当面は「舞鶴地域医療あり方検討委員会」の最終答申を支持し、速やかなる履行を求める。